Kaki no Hazushi
柿の葉寿司とは?柿の葉のすごい効果、発祥・由来を解説!
奈良柿の葉寿司とは?
柿の葉寿司とは、鯖、鮭などの魚の切り身を一口大に握った酢飯にのせて柿の葉で包んだ押し寿司で、奈良県の吉野地方に古くから伝わる郷土料理です。
柿の葉で包むとここがすごい!
柿の葉で包むことで、手を汚さずに食べることができるのがうれしいですね。
また、寿司を乾燥から防ぎ、抗菌・抗酸化作用による保存にも適しています。
さらに柿の香りが寿司に移ることによって、風味が豊かになる上に、魚のうま味成分も濃縮されます。
柿の葉寿司は栄養豊富
柿の葉
柿の葉は抗酸化作用や殺菌作用のあるタンニン、ビタミンなどを豊富に含みます。このタンニンがすし飯を乾燥から防ぐと同時に保存性を高める効果があると言われています。
また、鯖をはじめとする青魚にはコレステロールを減らし、動脈硬化を防ぐ成分が含まれるとされ、すし飯に使うお酢も健康に良いと広く知られています。
柿の生産が盛んな五條市
五條市は、五條市は柿づくりに適した地形・気候的条件が揃っており、山の斜面を活かした柿づくりが盛んで、生産量は日本一を誇ります。
五條市の柿は、山の澄んだ空気と豊かな水で立派に育ちます。
柿の葉寿司の発祥・由来
江戸時代中期ごろから親しまれてきたといわれています。
その昔、熊野灘で水揚げされ、浜塩を施した鯖は、吉野川や熊野川の舟運を使い村々に運ばれました。
奈良県南西部にある五條市は山々に囲まれており、運ばれてくる海産物や塩は山里の人々にとって大変貴重でした。
しかし運ばれてくるサバは塩気が強すぎたため、塩気を和らげるためにサバを薄く切り、ご飯と一緒に食べる方法を編み出したのが柿の葉寿司のはじまりといわれています。
やがて乾燥を防ぐために柿の葉で包み、重石で余分な空気を抜いて3日ほど寝かせて発酵を促すという方法が考え出されました。
柿の葉には殺菌効果があり、風味も良くなるので、海が無い地域ならではの食の保存方法とされてきました。
江戸時代中期になると酢飯を使うようになり、祭事や祝い事の席でのみ振る舞われるご馳走とされていました。
現在では、ほとんどの柿の葉寿司は白米に酢飯を使うことで、発酵工程を省略しています。そしてサバだけでなく、鮭、海老、鯛、穴子、椎茸、大根など、さまざまな種類が販売されています。
昔の人々の知恵と工夫が生んだ伝統ある名物料理「柿の葉寿司」をぜひ召し上がってみてください。