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伊吹そばとは?その特徴、食べ方、生産地の特製と発祥・歴史について解説!

滋賀
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伊吹そばとは?その特徴、食べ方、生産地の特製と発祥・歴史について解説!

伊吹そばとは?

伊吹そばとは、滋賀県米原市に位置する伊吹山中腹で古くから栽培されてきた在来種のそば(玄そば)で、滋賀県の郷土料理です。

滋賀県では多賀町や米原市、高島市を中心にそばが栽培されており、それぞれ「多賀そば」、「伊吹そば」、「箱館そば・今津そば」として各地域で親しまれています。

伊吹そばの特徴

伊吹在来そばの特長は、小粒で甘みがあり、他の蕎麦と比べて粘りと香りに違いがあります。粘りはそばのコシに繋がります。

そんなそばの実を引いて作ったそば粉と鵜伊吹山麓の上質の湧水を使って打ったそばは、上質な香りと甘味を感じさせ、さらにのど越しもいい絶品のそばとなります。

伊吹そばの特徴
  • 小粒(主に直径4.5mm以下)
  • 粉や麺は、甘皮(種皮)由来の淡い緑色
  • 甘皮由来のそばの香りが強い

伊吹そばの在来種のサイズは直径4.5ミリ以下の実が全体の70%以上という出荷規格を設けています。また、そばの独特な香りや淡い緑色を生み出すのは、胚芽を薄く覆う種皮です。伊吹そばは小粒な分、実に占める種皮の割合が多く、香りが強くなります。

伊吹そばの在来種

伊吹そばの食べ方

冷水で締めたそばを盛り付け、たっぷり大根おろしをのせだし醤油をかけてぶっかけ大根おろしにすると大変美味しくいただけます。伊吹の名物のひとつである伊吹大根をおろしにすると、辛味が強くなり、そばの薬味としてバッチリ合います。

伊吹大根

伊吹大根出典:ヘルシーレシピ

伊吹大根は、長さは20cmくらい。お尻が丸い寸胴型で曲がった尻尾がついており、地元ではその形から「ねずみ大根」とも呼ばれています。この伊吹大根の最大の特徴は、辛味の強さです。伊吹山周辺は昔からそばの産地としても有名で、伊吹大根は、そばの薬味として欠かせない辛味大根として珍重されてきました。相性の良さは江戸時代にはすでに知られていたようで、「伊吹そば天下にかくれなければ。からみ大根又此山を極上と定む」と『風俗文選』(1706年)に書き記されています。

伊吹そばは地域ブランドを保護する地理的表示に登録

伊吹そばは国が地域ブランドとして保護する地理的表示(GI)に2019年に登録されました。

地理的表示は、地域の伝統的な生産方法や気候・風土・土壌といった生産地等の特徴が、品質の特性に結びついた産品の名称を知的財産として登録するものです。登録された産品は、地理的表示保護制度に基づくGIマークにより他産品との差別化が可能となり、産品の名称やブランド価値が保護されます。滋賀県では「伊吹そば」の他に、畜産食品の「近江牛」が地理的表示として登録されますが、農産食品としては、「伊吹そば」が滋賀県で初めての登録となります。

伊吹山の麓は、昔から上質なそばの生産地

伊吹山

そば発祥の地である伊吹山。寒暖の差が激しい高冷地で、石灰岩の地層は養分が少なく水はけが良いため、非常にそばの栽培に適していました。

他品種との交雑が生じにくい

姉川の上流域は周囲を山に囲まれ、他品種との交雑が生じにくい地形です。他品種との交雑を起こしやすい作物です。そのため、伊吹山の麓を流れる姉川上流域の周囲を山に囲まれた地形を生かして、1995年から滋賀県と地域の生産者が協力して、伊吹そばの種子増殖の取組を開始しました。現在でも、姉川の上流域を採種場とする生産が地域の生産者によって続けられています。

伊吹そばの発祥・歴史

そばと滋賀県の関わりは古く、通説では8世紀頃、平安時代後期から鎌倉時代にかけて伊吹山の中腹に開かれた太平護国寺が起源とされています。当時、多くの修験者が伊吹山に集まっていたため、貴重な食糧源としてそばが栽培され始めたと言われています。太平護国寺の衰退後は、同寺の所在した太平寺村(=伊吹村の太平寺地区)の名産としてそば栽培は継続されました。

江戸時代に彦根藩の領主であった井伊家には伊吹そばが納められ、井伊家では、将軍徳川家康にそばを献上していたことが「献上品目録」に記されています。伊吹そばがあまりにも美味しいため、諸国の大名は井伊家にそばを贈るのをためらったという話が残るほど。しかし、1964年にそばを栽培していた集落の太平寺地区が麓の集落に集団移転してしまったため、細々と自家用のそばを作るだけになっていました。しかしその後も、太平寺地区に近い峠地区で伊吹そばの栽培が続けられてきました。

すっかり北海道や信州、果ては外国産のそばのほうが有名になってしまったのですが、1995年以降、姉川上流域の生産者は、峠地区から種子を導入し、「伊吹そば」の復活に向けて、徐々に生産面積を拡大させていきました。現在、姉川の渓谷沿いをはじめ、谷口から広がる米原市内にもそば栽培が拡大しています。2016年に伊吹そばの生産者は、伊吹そば生産組合を設立し、地域一丸となった生産体制を構築し、現在に至ります。