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あご野焼とは?あご(トビウオ)の旬、伝統の地伝酒、発祥・作り方・食べ方を解説!

鳥取
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あご野焼とは?あご(トビウオ)の旬、伝統の地伝酒、発祥・作り方・食べ方を解説!

あご野焼とは?

あご野焼とは、あご(トビウオ)のすり身に、地酒等で独特な味付けをして焼き上げたもので、島根県の郷土料理です。

見た目はちくわのようですが、通常のちくわと比べて大きいものが多く、伝統的なサイズは直径7~8cm、長さ70cmで重さ1.5kgにもなります。

歯ごたえと外皮の香ばしさ、あごの身に練り込まれた酒気の瑞々しい食感などが美味しさの特徴です。

島根県の魚、あご(トビウオ)

あご(トビウオ)トビウオ

島根県や鳥取県では日本海沿岸で多くのあご(トビウオ)が獲れ、様々な地元の料理に利用されています。

あごは、海の上を飛ぶため身は筋肉質でしまっており、脂肪がほとんどありません。内臓が小さいため鮮度が落ちにくく、味は淡白でさっぱりとしており、高タンパク質なヘルシー魚です。

また粘り気も身入りも多く、生で食べるよりもかまぼこ素材に適した魚です。

産卵期のものは、身が締まっていながらうま味がのり、刺身で食べてもおいしくいただけます。

1989年(平成元年)には「島根県の魚」に指定され、現在では県民にもっとも馴染みのあるお魚なのです。

旬のあごしか使用しない

あごの旬は5〜8月で、産卵期で脂ののったものは最高に美味しいです。

昔は冷凍保存の技術がなかったため、あご野焼は夏季限定商品でした。今では冷凍保存しても魚の繊維が壊れない技術が開発され、あご野焼は一年中食べることができます。

出雲地方に伝わる「地伝酒」

戦前まであご野焼きの味付けには、出雲地方に古来より伝わったとされる「地伝酒」と呼ばれる調味酒が使われてきました。

地伝酒とは、もち米で仕込み完全発酵させ、木炭を加えてから絞ったものです。清酒より色が濃く甘味があり、あたかも薄いみりんといった感じの料理酒ですが、みりんと違って純然たる発酵酒です。

地伝酒を使うと、ほかの酒を使う場合よりもふっくらと焼け、歯ざわりも柔らかく、魚の生臭みが消えさっぱりとした味に仕上がります。またうま味成分であるグルコースとアミノ酸を多く含むため、化学調味料を入れなくても、まろやかな味になるのです。

製造中止となった地伝酒

実はこの、あご野焼きには欠かせなかった地伝酒は戦時中の経済統制で製造中止となってしまい、一旦この世からなくなってしまいました。

近年になり昔ながらのあご野焼きが味わえなくなることを惜しむ声が上がります。そこで松江の特産品の振興を目指す「MATSUE流の会」が、昔の地伝酒の造り方や味を知る人たちの協力を得て地伝酒の醸造に挑み、1994年(平成6年)に地伝酒の味を復活させ、昔ながらのあご野焼きの再現も可能になりました。

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あご野焼の発祥・歴史

その昔、氷もない時代に、漁師が獲れたての飛魚をすり身にし、竹に巻きつけて焼き、保存食として家路に運んだのが始まりとされています。いわば、かまぼこの原型といえます。

また、トビウオがあごと呼ばれているのは「あごが落ちるほど美味しいから」ともいわれています。

当時は全て炭火で焼いていましたが大きいため大量の煙が出るので屋外で焼くようになりました。こうして、あごを野焼きにすることから、あご野焼と呼ばれるようになったといわれています。これは、江戸時代の松江城主松平不味公によって命名されたと伝えられています。

戦前までは、初夏になるとかまぼこ店で焼くあごの香ばしい匂いが辺り一帯に漂い、松江の風物詩になっていました。戦後になると、漁獲量の減少や食生活の多様化の影響を受けて老舗のかまぼこ店の多くが廃業し、製法も従来の炭火焼きから機械化による大量生産に変わっていきました。こうした中で、厳選された原料と炭火による製法を頑なに貫いているのが「青山蒲鉾店」です。江戸古来より出雲に伝わる地伝酒を使ったあご野焼きを復活させ、昔ながらの味をよみがえらせました。

あご野焼の作り方

あご野焼き出典:honbamon.com

今ではすり身を作るには機械を使うことが一般的ですが、焼きの作業は熟練の職人が1本1本火加減を見ながらじっくり焼いていることが多いです。数十センチにもなる大きなあご野焼を機械で等しく焼くのは難しいので、今でも職人の熟練の技術が必要な、重要な作業なのです。

焼いているときに「突きたて」と呼ばれる太い針のついたブラシのようなもので表面をトントンと突き、表面全体に細かい無数の穴を空けます。穴を開ける事であご野焼が膨れて皮がはがれてしまう事を防ぎ、火の通りも良くなります。あご野焼には酒やみりんなどの調味料が含まれていますが、穴を開ける事でそれらの調味料が表面に出てきて茶色くなるというわけです。ちなみに調味料が入っていなければ白色のままの「あごのやき」になります。

あご野焼の食べ方

あご野焼は、加熱調理済みなのでそのまま食べる事ができます。

丸ごと1本で販売されているので輪切りにして食べるのも良いですが、焼きたてを手でちぎって豪快に味わうのが地元のオススメの食べ方です。

わさび醤油をつけてお酒のおつまみとして食べるのも美味しいです。

また、フライパンで少し焦げ目をつけて焼くと香りが出て美味しさが一層引き立ちます。レンジで温めてもうま味が出てきます。他には天ぷらにして塩を振って食べるとまた違った味わいが楽しめます。

おうちで楽しむあご野焼