Ika Ninjin
いかにんじんとは?長にんじんの特徴、松前漬けとの関係、栄養、作り方・レシピを解説!
福島いかにんじんとは?
いかにんじんとは、細く切ったにんじんとスルメいかを、醤油などで味付けをしたもので、福島県の北部・中部地域の郷土料理です。
漬け込むことでスルメイカの旨味が出て、昆布やかつおのだしとも違う風味のある味わいと歯応えがクセになる一品で、日常的におかずやお酒のおつまみとして親しまれています。
もともとは、初冬に出回る「長にんじん」を使用し、各家庭で晩秋から冬にかけて作られ特に正月には欠かせない料理でしたが、近年は冷蔵庫や低温流通の普及により一年を通して出回るようになりました。市内の漬物の会社でも製品として作るようになり、一年中福島市内のスーパーなどで売られています。
初冬に出回る長にんじん
出典:会津野菜
にんじんには大きく分けてオレンジ色で太くて短い西洋系と赤い色で細長い東洋系があります。
福島ではいかにんじんに使うにんじんは、食感がいい東洋にんじん系の長にんじんが使われてきました。
長にんじんの長さは通常50~60cmくらいあります。
長にんじんは初冬のこの時期に出回り、香りがよく甘味がありシャキッとした歯応えが特徴です。
いかにんじんの歴史
いかにんじんの歴史は長く、江戸時代後期から伝わるとされています。
福島県の山あいの地方には、魚介の乾物を使った料理が多く残っています。スルメや身欠きニシン、干し貝柱などの乾物は保存がきいたので、遠くから運ばれて貴重なタンパク源でした。
松前漬けの起源がいかにんじんという説
北海道に、いかにんじんに非常に似た「松前漬け」という郷土料理があります。
松前漬け
江戸時代に、北海道の松前藩の家臣が福島県伊達市にあった梁川藩に渡った際、いかにんじんを知って地元に持ち帰り、さらに北海道の名産である昆布などを合わせたことによって松前漬けが生まれたという説があります。
一方、松前漬けのルーツは、江戸時代頃からあった、昆布とスルメを細く切り醤油に漬け込んだこんぶいかであり、いかにんじんとはまったく異なる松前地方の郷土料理であるとする説もあります。
いかにんじんは栄養抜群
するめいかは、高たんぱく質、低脂肪、低カロリーでアミノ酸のひとつであるタウリンが豊富です。するめいかの表面についている白い粉がタウリンで、胆汁分泌を促しコレステロールを排出する働きをし、肝機能の調整や疲労回復にも効果が あります。
にんじんはカロテン、ビタミンB₁、B₂、ビタミンC、カルシウム、鉄分などが含まれています。特にオレンジ色の色素β-カロテン、α-カロテンは必要な分だけ体内でビタミンAに変わり、皮膚や目を守り、感染症を防ぎます。残りのカロテンは抗酸化作用があり動脈硬化や老化防止、ガンを予防するとされています。
いかにんじんの作り方・レシピ
一度作れば冷蔵庫で7〜10日ほど保存できるので、毎晩のおさけの肴にもできて便利です。
材料(4人前)
- にんじん1本
- するめ1/2枚
- しょう油小さじ4
- 砂糖大さじ1
- みりん大さじ1
- 酒大さじ2
作り方
- するめ、にんじんは千切りにする。するめは1時間酒に浸しておく
- にんじんは熱湯にさっとくぐらせ、水気を切る
- 鍋に調味料を入れ、一度煮立せアルコールを飛ばす
- するめとにんじんを容器に入れ鍋の調味料をそそぎ、なじませる
- 保存容器に入れ冷蔵庫で一晩漬け込んで出来上がり!